東海大学生、ロケット打ち上げ試験に成功--パラシュート2段階放出機構を実証

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東海大学生、ロケット打ち上げ試験に成功–パラシュート2段階放出機構を実証

2024.03.11 12:04

UchuBizスタッフ

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 東海大学の学生ロケットプロジェクト「Tokai Student Rocket Project(TSRP)」は北海道大樹町でロケットの打ち上げ試験に成功した。宇宙港「北海道スペースポート」がある大樹町とSPACE COTAN(北海道大樹町)が3月7日に発表した。

 今回打ち上げたロケットは59号機。エンジンは固体の燃料としてロウ、酸化剤として液体の亜酸化窒素(N2O)を活用するハイブリッド。全長は1.7m、直径は154mm、従量は14kg。ガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforced Plastic:GFRP)のチューブを主体にしたモジュール構造。独自に開発したパラシュート放出機構を搭載している。

59号機の構造(出典:TSRP)
59号機の構造(出典:TSRP)

 今回の実証実験は、打ち上げた機体を損傷なく回収するためのパラシュート2段階放出機構を実証するとともに、パラシュートを開いたときに生じる機体への衝撃(オープニングショック)のデータを取得することが目的。

 実験では、2.4秒エンジンを燃焼し、機体は高度456mに到達。パラシュートの2段階放出に成功し、射点から北北東493mmに落下した。機体は回収され、オープニングショックのデータも取得した。

 TSRPは1995年に発足。宇宙技術者を目指す学生が実践的な知識や技術を得ることが目的。秋田県の能代宇宙イベントと大樹町で1回ずつ、年2回打ち上げている。大樹町では、2004年から実験を実施しており、今回で29機目の打ち上げとなった。能代宇宙イベントを含めた打ち上げ総数は52機という。

 今回の試験結果をもとに最終目標である高度100km以上の宇宙到達に向けて開発を進めていくとしている。

(出典:TSRP)
(出典:TSRP)

関連情報
SPACE COTANプレスリリース
TSRPウェブサイト

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