NASA、有人宇宙船「オリオン」ハッチ設計問題を調査--「不測の事態に影響」

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NASA、有人宇宙船「オリオン」ハッチ設計問題を調査–「不測の事態に影響」

2024.03.06 07:00

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の安全委員会が、月探査計画「Artemis」で活用される有人宇宙船「Orion」のサイドハッチの設計に問題があり、想定外の状況での開閉に問題があると考えていることを海外メディアのSpaceNewsが報じている

 米国時間2月28日に開催された航空宇宙安全諮問委員会(Aerospace Safety Advisory Panel:ASAP)の公開会合でNASAはこの6〜9カ月間、Orionのサイドハッチについて「多くの問題点」を検討していたという。

 ASAPのメンバーでもあるWilliam Bray氏は「打ち上げ時に発射台で、あるいは地球への帰還時に着陸するなど不測の事態が発生した場合に、クルーがハッチを開ける能力に影響を与える可能性がある」と語っている。

 Orionにはハッチだけでなく、大気圏への再突入に耐える「熱シールド」が予想以上に損傷するという問題も指摘されている。NASAはOrionを使用した「Artemis II」ミッションを2024年後半から2025年9月に延期している。

開発中のOrion。2017年撮影(出典:NASA / Frank Michaux)
開発中のOrion。2017年撮影(出典:NASA / Frank Michaux)

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