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月で水を探すNASA探査機「VIPER」、テスト追加で月到着を2024年11月に延期
2022.07.21 14:15
米航空宇宙局(NASA)は、月で水資源を探すために開発している探査機「Volatiles Investigating Polar Exploration Rover(VIPER)」の計画について、月への到着時期を2024年11月に延期すると発表した。当初、2023年11月到着予定としていた。
VIPERは、月の南極で氷などの資源を探すための探査機。月に存在すると考えられる水の分布を調べることができれば、将来の人間による探査活動「Artemis(アルテミス)」計画で水資源として活用できる可能性がある。
NASAは、月へ探査機などを送る作業を民間企業に委託する取り組み「Commercial Lunar Payload Services(CLPS)」を通じ、VIPERの輸送を米Astroboticに委託している。Astroboticは、同社の月着陸機「Griffin」でVIPERを運ぶ計画だ。
このGriffinについて、NASAは試験を追加して実施するようAstroboticに要求。その結果、月への到着時期が約1年遅れることになった。追加が必要な理由について、NASAはVIPERを安全に月へ届けるためだと説明している。
試験追加のため、NASAはAstroboticとのCLPS契約にもとづいて、さらに6780万ドル(約93億7500万円)支払う。これにより、契約金は総額3億2040万ドル(約443億500万円)になった。