アストロスケール、デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」打ち上げに成功

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アストロスケール、デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」打ち上げに成功

2024.02.19 00:41

UchuBizスタッフ

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 アストロスケールは2月18日、商業デブリ除去実証衛星(Active Debris Removal by Astroscale-Japan:ADRAS-J)の打ち上げに成功した。日本時間2月18日午後午後11時52分に打ち上げられた。

 Rocket Labの「Electron」ロケットに搭載され、ニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Lab第1発射施設(Launch Complex 1:LC-1)から現地時間2月19日午前3時52分に打ち上げられた。

打ち上げ前のElectron(出典:アストロスケール/YouTube)
打ち上げ前のElectron(出典:アストロスケール/YouTube)
打ち上げの瞬間(出典:Rocket Lab)
打ち上げの瞬間(出典:Rocket Lab)
LC-1から空に飛び上がるElectron(出典:アストロスケール/YouTube)
LC-1から空に飛び上がるElectron(出典:アストロスケール/YouTube)
第1段エンジンを噴射(出典:アストロスケール/YouTube)
第1段エンジンを噴射(出典:アストロスケール/YouTube)
第1段を切り離し、第2段エンジンを噴射(出典:アストロスケール/YouTube)
第1段を切り離し、第2段エンジンを噴射(出典:アストロスケール/YouTube)
フェアリングが分離。ADRAS-Jの底面が見える(出典:アストロスケール/YouTube)
フェアリングが分離。ADRAS-Jの底面が見える(出典:アストロスケール/YouTube)

 アストロスケールは、大型の宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去などの技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「商業デブリ除去実証(Commercial Removal of Debris Demonstration:CRD2)」プロジェクトのフェーズ1の契約相手方として選定され、ADRAS-Jを開発している。

 今回のミッションは、2009年に打ち上げられたロケット「H-IIA」の上段に接近、近傍運用(Rendezvous and Proximity Operations:RPO)を実証し、長期間放置された対象の運動や損傷、劣化といった状況を撮影する。

 ミッションの対象物体であるH-IIA上段は全長約11m、直径約4m、重量は約4t。今回のミッションの対象物体は自らの位置情報を発信していない“非協力物体”。そのため、RPOで必要な軌道での正確な位置は不明。対象物体のおおよその位置は地上局からの観測データをもとに判断するしかない。

 しかし、その地上からの観測による位置情報は、軌道上での観測ほど正確ではないという。その限られた情報をもとに距離を詰めていく必要がある。

 RPOミッション成功の鍵となるナビゲーションセンサーやランデブー機能など、強化された技術を搭載。RPOや航法(ナビゲーション)に最適化したセンサーやカメラを超長距離を含む複数の距離範囲で使用する。

 センサー群のシームレスな切り替えもミッション成功のための重要な要素という。例えるなら、高速で移動する乗り物に乗りながら、特定の物体を望遠鏡、双眼鏡、虫眼鏡を切り替えて観察するようなものと説明している。

 ADRAS-Jは、相対的に自らの位置を制御するための斜め向きの8本の推進器(スラスタ)と、効率的に大きな推力を生んで大きく軌道を変更するための真っ直ぐな4本のスラスタを使い分けることでダイナミックかつ繊細な動きが可能という。本体サイズは、約830×810×1200mm(太陽光パネル展開時の幅は約3700mm)。重量は約150kg。

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