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ソフトバンク、「スマホと衛星の直接通信」に積極姿勢–「心境に変化」と宮川社長

2024.02.07 18:42

小口貴宏(編集部)

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 ソフトバンクは2月7日の決算会見で、低軌道(LEO)衛星から市販のスマートフォンに直接通信を提供する「モバイルダイレクト」の導入に積極姿勢を示した。

ソフトバンクで代表取締役社長執行役員兼CEOを務める宮川潤一氏

 宇宙から地上を4G / 5Gエリア化できるモバイルダイレクトは、基地局の整備が難しい山間部や島しょ部、海上を含めた日本全域のエリア化が可能で、災害発生時の通信手段としても期待されている。

 国内キャリアではKDDIが2024年中に「Starlink」の「Direct to Cell」を導入するほか、楽天モバイルも出資先のAST SpaceMobileの衛星群を活用し、2026年にサービスを開始する方針を示している。

ソフトバンクが「様子見」から一転

 一方、ソフトバンクで代表取締役社長執行役員兼CEOを務める宮川潤一氏は3カ月前の決算会見で、モバイルダイレクトについて「まだやれるというところまでは議論していない」と様子見の姿勢を示し、代わりに成層圏通信プラットフォーム(HAPS)の取り組みを紹介していた。

 その後、2024年1月1日に「令和6年能登半島地震」が発生。災害復旧におけるStarlinkの有効性が誰の目にも明らかとなり、モバイルダイレクトへの期待も高まった。

 そして今回の決算会見で宮川氏は、モバイルダイレクトについて「心境の変化大あり」とコメント。「地球低軌道のモバイルダイレクトが実現する時代になってきた、我々も可能性については正直深く追求していて、物理的な衛星を持っている会社とはあらゆる角度で議論している」と積極姿勢を示した。

 

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