中国の月探査「嫦娥7号」、シャクルトン目指す--2026年に打ち上げ、南極に着陸

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中国の月探査「嫦娥7号」、シャクルトン目指す–2026年に打ち上げ、南極に着陸

2024.02.01 08:00

塚本直樹

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 中国の月探査ミッション「嫦娥7号」(Chang’e-7:CE-7) が月南極付近の「Shackleton」(シャクルトン)クレーターをターゲットとしていることが、オックスフォード大学の「National Science Review」に報告されている

 2026年頃の打ち上げを予定している嫦娥7号は月南極への着陸と科学調査を目指している。探査機、着陸船、探査車、中継衛星で構成。中継衛星は、2024年初頭に打ち上げられる予定の「鵲橋(じゃっきょう)2号」(Queqiao-2)が利用される。

 Shackletonクレーターの縁は太陽で長時間照らされており、氷のような揮発性物質が存在する可能性がある影の領域だけでなく、良好な発電用の光を得ることができる。着陸船と探査車は鵲橋2のサポートを受けながら、月南極の環境と資源を調査する。

 嫦娥7号の着陸船には、地震計や地中レーダー、磁力計、分光計などの貨物(ペイロード)も搭載される。ノートルダム大学教授で月科学者のClive Neal氏は、「南極からの地震データを長期間記録できれば、南極での浅い月震活動の深刻さを示すことができるだろう」と述べている。

 嫦娥7号は中国の月探査計画「嫦娥」の一環。中国は、嫦娥7号の次のミッションである「嫦娥8号」で月面基地計画「国際月面研究ステーション」(International Lunar Research Station:ILRS)の基本を形成するとみられている。

米航空宇宙局(NASA)の月周回衛星「LRO」が撮影したShackleton(出典:NASA/KARI/ASU)
米航空宇宙局(NASA)の月周回衛星「LRO」が撮影したShackleton(出典:NASA/KARI/ASU)

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National Science Review
SpaceNews

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