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民間の宇宙企業が急成長、NASAの役割は今後どう変わる?–NASAアジア担当代表が回答

2022.07.01 17:03

小口貴宏

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 WeWork Japanと米国大使館は7月1日、米国独立記念日を祝すイベント「America Month」の一環として、映画上映およびNASA(米国航空宇宙局)アジア担当代表のガーヴィー・マッキントッシュ氏が登壇するトークイベントを東京池袋のWeWorkメトロポリタンプラザ内で開催した。

 イベントでは、参加者から「いずれNASAは急成長する民間の宇宙企業と競合関係になってしまうのでは」との質問が寄せられた。米国ではイーロンマスク氏が率いるSpace Xを筆頭に、民間企業による有人宇宙飛行が当然となっており、ロケットの打ち上げや国際宇宙ステーション(ISS)への輸送も民間が担っている。

NASAアジア担当代表のガーヴィー・マッキントッシュ(Garvey McIntosh)氏

 マッキントッシュ氏はこの質問について「NASAが民間のビジネスを邪魔することは決してない」と前置きしつつ「NASAは今後、民間の宇宙企業が担う領域の拡大に応じて、民間よりも高コストかつリスクが高い領域に注力分野をシフトしていく」と回答した。また、人工衛星の打ち上げやISSなどは民間企業に任せ、月面基地の建設や火星有人着陸、太陽系全体の探査を担っていくとした。

 最後に「(民間の宇宙企業が急成長しても)どうやら私の職は安泰のようだ」と述べ、会場の笑いを誘った。

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