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月の裏側で新たなクレーター2個を撮影、3月に墜落したロケットが原因

2022.06.29 12:45

佐藤信彦

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 米航空宇宙局(NASA)は、月の裏側に新たなクレーター2個ができていたと発表した。廃棄された使用済みロケットの衝突によって形成されたとみている。

 NASAの公開した画像は、月を周回している観測衛星「Lunar Reconnaissance Orbiter(LRO)」で撮影したもの。場所は、地球から見えない月の裏側にある「Hertzsprung(ヘルツシュプルング)」クレーターから少し離れた地点。2月28日に撮影した画像には存在しないクレーターが、5月21日の画像に写っている。直径が18mと16mのクレーターが、やや重なって形成された。

2月と5月の画像を比較(出典:NASA)
2月と5月の画像を比較(出典:NASA)

 この使用済みロケットの月面衝突は、以前から予想されていて、3月4日に発生したとみられる。米CNETの報道によると、衝突するロケットは、当初Space Exploration Technologies(SpaceX)の打ち上げたものとされた。しかし、その後、中国が2014年に打ち上げたロケットである可能性が高い、と訂正されたそうだ。

 NASAは、クレーターを作ったロケットは特定できていない、とした。

 燃料を使い切ったロケットは、その重量の大半がエンジンのある一方に偏っている。また、「Apollo(アポロ)」計画で廃棄したロケットの衝突によるクレーターは、いずれも1つしか作られなかった。今回は二重クレーターができたことは、ロケット特定のヒントになる可能性があるという。

アポロ計画のロケットで作られたクレーター(出典:NASA)
アポロ計画のロケットで作られたクレーター(出典:NASA)

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