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日揮グローバル、月のレゴリスから宇宙船の燃料を生成するプラントを概念検討

2023.12.07 13:45

佐藤信彦

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 日揮グローバルは、月探査時に宇宙船や探査機の燃料を月の水資源から生成しようとする宇宙航空研究開発機構(JAXA)の競走入札事業「月面推薬生成プラントの実現に向けたパイロットプラントの概念検討」で検討担当企業として採択された。

 JAXAは、月の表面を覆う細かい砂(レゴリス)に含まれる水分を、将来の月面探査で活用しようと検討中だ。この水を電気分解して得られる水素と酸素は、月面で運用する宇宙船などの推薬に利用できる。月面推薬生成プラントは燃料となる液体水素と液体酸素を生成する設備。

 JAXAは、今回の事業への入札を2023年10月に公募、日揮グローバルが選ばれた。

 日揮グローバルは(1)実証計画の立案、(2)パイロットプラントの概念検討――を進める。(1)では、月面推薬生成プラントの全体システムを検討するとともに、その実現に向けた実証計画を立案。(2)では、月面で水資源を利用できる月面実証プラントを検討、月面で実証するために地上で検証するシステムを検討する。検討結果は2024年3月31日までにJAXAに提出する。

 JAXAは今後、以下のスケジュールで進める計画。

  • 2020年代:月面推薬生成プラント全体システムの概念を検討するとともに要素技術を検討、地上で実証する
  • 2030年代:プラント建設地の事前調査や月面実証プラント建設に着手する
  • 2040年までに:推薬プラントの本格稼働を開始する

関連リンク
日揮グローバルプレスリリース

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