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ワープスペース、イタリア企業と業務提携–地上局のシェアリングサービスを展開

2022.06.17 16:58

飯塚直

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 小型衛星を活用した宇宙空間での光通信サービスの実現を目指すワープスペース(茨城県つくば市)は6月13日、地上局のシェアリングサービスを展開するイタリアのLeaf Spaceとの業務提携を発表した。

 Leaf Spaceは、2014年にイタリアのミラノ工科大学の研究室よりスピンオフして創業した企業。地上局のシェアリングサービス(Ground Segment as a Service:GSaaS)を展開しており、2021年1月にはシリーズAラウンドで累計1000万ドルの資金調達を行っている。

 また、ヨーロッパをはじめ、アイスランド、オーストラリア、カナダ、スリランカなどに世界で合計15カ所の地上局を運用。2022年2月には、Space Exploration Technologies(SpaceX)のライドシェアで打ち上がった5事業者による合計13基の衛星との通信に成功している。

 ワープスペースは現在、構築を進める宇宙空間での光通信によるネットワークサービス「WarpHub InterSat」で、中軌道(MEO、約2000~3万6000km)に3基の中継衛星を運用している。地球観測衛星が光通信を利用して、これらの中継衛星に対してデータを送信。さらに、中継衛星が地上へとそのデータを伝送するという。

 即応的にデータを地上に伝送するには、データ送信の要求を受けた際にも衛星が地上局と相対している必要がある。

 そこで、同社の光通信ネットワークで伝送されたデータを高速かつ、安定して地上で受信を行えるようにするため、Leaf Spaceと業務提携を決定した。

 Leaf Spaceは、複数の軌道に対応する地上局を世界中に設置、拡大しており、今後WarpHub InterSatのミッション構成の重要な部分をサポートするという。

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