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QPS研究所、50億円の協調融資契約–中小機構が債務を保証
2023.10.31 14:16
小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発、運用するQPS研究所(福岡市中央区)は10月31日、中小企業基盤整備機構(中小機構)による「革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度」を活用し、総額50億円の融資契約(期間5年)を締結したと発表した。
革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度は、ディープテック(大規模研究開発型)ベンチャー企業が量産体制を整備するための資金などを民間金融機関から融資について中小機構が債務を保証する制度。QPS研究所は経済産業省による産業競争力強化法に基づく革新的技術研究成果活用事業活動計画の認定を受けている。
QPS研究所は、借入元本の50%が保証される適用最高額の50億円を、三井住友銀行をアレンジャー、静岡銀行をコ・アレンジャーとして、りそな銀行、紀陽銀行、福岡銀行、佐賀銀行、山梨中央銀行、常陽銀行が組成したコミット型協調融資(シンジケートローン)で調達する契約を締結した。
QPS研究所は、従来のSAR衛星と比較して、質量が20分の1、コストが100分の1という小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功し、現在は3機の衛星を運用。夜間や天候不良時でも高分解能、高画質で観測できるSAR画像を提供している。
2023年7月には、QPS-SAR 6号機「アマテル-III」による46cm分解能という日本の民間SAR衛星として最高精細の画像取得に成功。衛星データビジネスを順調に拡大しているという。
今後も衛星を毎年複数機打ち上げ、2025年以降に36機の小型SAR衛星のコンステレーションを構築。平均10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指している。