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有人で月を周回する宇宙船「Orion」がほぼ完成–今後は電源や真空を試験

2023.10.30 11:41

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は現地時間10月19日、月探査ミッション「Artemis II」に使用される「Orion」宇宙船の2つのモジュールを結合した。これによって、Orion宇宙船の主要部分が完成したことになる。

 Artemis IIでは、「Space Launch System(SLS)」ロケットを使用し、4人の宇宙飛行士を月周辺に飛行させる。NASAのReid Wiseman氏、Victor Glover氏、Christina Koch氏、そしてカナダ宇宙庁(CSA)のJeremy Hansen氏がOrion宇宙船に登場する。なお、有人月面着陸はその次のミッションである「Artemis III」での実施を予定している。

 Orionには、電気、推進力、空気、水を供給する欧州宇宙機関(ESA)製のサービスモジュール、宇宙飛行士を収納するLockheed Martin製のクルーモジュール、そして両者を結合する米国製のアダプターが含まれている。

 今後Orionでは電源投入試験が実施される。そして、深宇宙での真空環境を再現した高度チャンバー試験が行われる。また並行して、飛行士の訓練もジョンソン宇宙センターで実施されている。

 Artemis IIは、月における持続的な人類の活動を確立し、将来の火星有人探査につなげるための第一歩目のミッションとして実施される。

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