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火星は「河川だらけの惑星」だった–探査車キュリオシティが新たな証拠を発見

2023.10.31 11:09

塚本直樹

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 NASAの火星探査機「Curiosity」(キュリオシティ)が、古代の火星に河川が存在していた証拠を発見したと、ペンシルベニア州立大学の研究者が報告した。

 Curiosityは火星に生命が存在していた証拠を探しており、以前にも「湖の底にあったとされる岩」を同惑星で発見している

 今回Curiosityが発見したのは、火星のゲール・クレーターにある「ベンチアンドノーズ地形」と古代の河川との関連だ。ペンシルベニア州立大学の地質科学者ことBenjamin Cardenas氏は、「我々は火星が河川の惑星であった可能性が高いという証拠を発見した」と語った。

(出典:NASA)
(出典:NASA)

 この研究では、数理モデルを用いて数千年にわたる火星の浸食をシミュレートした。具体的には、Curiosityからの観測データと衛星データ、およびメキシコ湾の海底下にある、何百万年にもわたって堆積した岩の層の3Dスキャンデータを複合させた。

 その結果、一般的なクレーターにみられるベンチアンドノーズ地形が、古代の河床の痕跡である可能性が最も高いことを突き止めた。

 火星には多くのベンチアンドノーズ地形が存在しており、同研究は、火星には従来考えられていたよりもはるかに多くの河川が存在していた可能性があり、古代の火星に生命が存在する可能性への期待を高めている。

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Penn State University

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