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天の川銀河中心の巨大ブラックホールの撮影に成功–M87に続いて2例目
2022.05.13 17:15
国際的なブラックホール研究プロジェクトの「Event Horizon Telescope Collaboration」(EHT)は、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールを撮影した(国立天文台、EHT-Japan)。この研究成果は、以前から知られていた大質量天体「いて座A*(エースター)」がブラックホールであることを、初めて視覚的に直接示す「揺るぎない証拠」だという。
地球から見て「いて座」のある方向は、太陽系が属する天の川銀河の中心部だ。地球から2万7000光年離れた、この領域には、質量が太陽の400万倍と極めて重い、小さな天体のいて座A*が存在する。これまで、間接的な証拠からいて座A*はブラックホールだろうと考えられていた。それが今回の撮影でブラックホールであると確認できた。
撮影は、地球上に点在する複数の電波望遠鏡を組み合わせて観測する技術「超長基線電波干渉法(Very Long Baseline Interferometry:VLBI)」で2017年4月に実施。大きさが地球の直径に近い約1万kmもある観測装置を仮想的に構築することで、極めて小さなブラックホール画像を捉えられた。
なお、ブラックホール画像の撮影は、今回のいて座A*が2例目。2019年に発表された人類史上初めてのブラックホール画像も、EHTの研究成果である。