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中国の月面探査機、地下300mまでマッピング–溶岩の地層など発見

2023.08.22 15:04

塚本直樹

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 中国の月面探査機「玉兎2号(Yutu-2)」による月の地面から地下約300mまでのマッピングの結果が、Journal of Geophysical Research誌に報告された。

 玉兎2号は月探査機「嫦娥4号(Chang’e-4)」とともに、2018年に打ち上げられた。玉兎2号には月貫通レーダー(LPR)が搭載されており、返ってくる電波のエコーにより月の内部の構造を知ることができる。

 今回の新しいデータによれば、月の地下約40mまでは塵や土、砕けた岩石からなる、複数の層で構成されていることがわかった。これらの物質の中には、大きな物体が月に衝突してできたクレーターが隠されている。さらにその下には、数十億年前に地表に染み出した月の溶岩が、5層に分かれているのが発見された。

 また、溶岩が冷えて固まった火山岩の層が、月面に近づくほど薄くなっていることも発見された。これは初期の噴火に比べて、後期の噴火では溶岩の流れが少なかったことを示唆していると、筆頭研究者のJianqing Feng氏が述べた。

(出典:CNSA/CLEP)

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Journal of Geophysical Research
Space.com

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