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太陽圏を脱出、通信途絶中の「Voyager 2」からの信号を確認–10月には復旧か
2023.08.03 14:21
米航空宇宙局(NASA)は、米国時間7月21日から通信途絶状態にある探査機「Voyager 2(ボイジャー2号)」からの信号を捉えたと発表した。
Voyager 2は、太陽系の外惑星を調べることが主目的の探査機。1977年に打ち上げられ、木星と土星、海王星、天王星を調査。2018年に太陽圏(ヘリオスフィア)を脱出し、現在は地球から199億km離れた恒星間空間を航行中。
NASAは、7月21日にVoyager 2へ誤った命令を送信。その結果、Voyager 2の通信アンテナの角度が2度地球からずれてしまい、地球との通信が途絶えてしまった。
命令受信もデータ送信もできない状態にあるVoyager 2だが、NASAはVoyager 2が発しているデータ通信のベースとなる搬送波信号を捕捉することに成功した。搬送波信号の強度は極めて小さく、データを送受信できないが、Voyager 2の正常動作を確認できた、としている。
Voyager 2は、機体の向きを自動的に年数回リセットするようプログラミングされていて、これにより通信アンテナを地球へ向け続ける仕組みだ。NASAは、10月15日に行われる予定の次回リセットで通信が復旧するとみている。
成功する可能性は高くないものの、NASAはVoyager 2へ命令送信を繰り返し、10月まで待たず通信復旧を試みる。
関連リンク
NASA発表
NASAプレスリリース