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ispaceと三井住友海上、月面探査で損害保険–打ち上げから着陸までをカバー
2022.04.22 08:00
ispace(東京都中央区)は4月21日、三井住友海上火災保険と月面ビジネスで発生するリスクを補償する新たな保険「月保険」の組成について覚書を締結したと発表した。
三井住友海上は、2019年2月に民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーとして参加しており、その際、月保険の開発に関する協業を発表していた。
ispaceは、スケジュールや月への航路、着陸の際に起こり得るリスクなど、開発に関する情報を提供。三井住友海上が、それらのリスクを分析してきたという。
両社は、2022年末頃に打ち上げを予定しているHAKUTO-Rのミッション1で打ち上げ以降、月遷移軌道上でロケットから着陸船(ランダー)が切り離され、月まで航行する期間や月面着陸するまでの間に発生する損害を補償する保険を協議。打ち上げから月面着陸までをシームレスに補償する月保険を2022年中に条件を確定させる予定。
月保険は、月面市場の形成に向けた大きな一歩だとしており、ispaceはその産業創造の中心的プレイヤーとして、三井住友海上は新たに発生するリスクに対するソリューション提供者として、今後もより一層の連携を図っていくという。
ispaceは、2040年代に1000人が月に暮らし、年間1万人が月に旅行するような世界の実現を目指す「Moon Valley 2040」構想を掲げている。また、地球と月の間に生み出される「シスルナ(cislunar)経済圏」の構築でのオーケストレーターを目指し、主要な業界のリーダーをパートナーや投資家、ペイロードやデータサービスの顧客として月産業に巻き込むことを進めている。