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世界初のメタン燃料ロケット、中国企業が軌道打ち上げに成功

2023.07.18 10:10

塚本直樹

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 中国民間企業のLandspaceが現地時間7月11日、メタン燃料を使用した「Zhuque-2」ロケットを、世界で初めて軌道へと打ち上げた。

 メタンを燃料としたロケットは、液体ロケットのケロシン(RP-1)と比較して、地球温暖化に与える影響が小さいほか、液化水素よりも液化する温度が高いために、保管が容易で燃料輸送時のコストも削減できる。

 さらに、メタンは入手が容易な点も特徴で、低コスト高頻度打ち上げに最適な燃料と目されている。Landspaceは2022年12月にもZhuque-2の打ち上げを実施したが、ミッションは失敗に終わっていた

 ゴビ砂漠の酒泉衛星発射センターから打ち上げられたZhuque-2は、予定どおりに軌道に到達。ミッションの成功を伝えた中国の報告を、米宇宙軍が追跡し確認したことを、天文物理学者のJonathan McDowell氏が伝えている。

 同じくメタン燃料を利用するSpace Exploration Technologies(SpaceX)の次世代ロケット「Starship」は、2023年4月の打ち上げが失敗に終わった。またBlue Originが開発を進める「New Glenn」は、6月下旬のエンジンテストで爆発したと報じられている

(出典:PhilLeafSpace / Weibo)

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