プラスチックと液体酸素のロケットの量産を目指すMSW、1億4000万円を調達

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プラスチックと液体酸素のロケットの量産を目指すMSW、1億4000万円を調達

2023.07.05 16:51

佐藤信彦

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 ハイブリッド方式ロケットエンジンの量産化を目指しているMJOLNIR SPACEWORKS(ミヨルニア・スペースワークス:MSW、札幌市北区)は、1億4000万円の資金調達を実施した。このシードラウンドには、リアルテックファンドとインキュベイトファンドが参加した。

 MSWが独自開発中のハイブリッドロケットエンジンは、プラスチック燃料と液体酸素を燃焼させて推進力を得る方式。液体燃料を使う一般的なロケットエンジンに比べ、構造が簡単で、燃料として爆発物を使わないため安全性が高く、量産と低コスト化に適しているという。

プラスチック燃料と液体酸素を燃焼させる(出典:MJOLNIR SPACEWORKS)
プラスチック燃料と液体酸素を燃焼させる(出典:MJOLNIR SPACEWORKS)

 プラスチック燃料は液体水素などより燃焼が進みにくいため、大きな推力が得られない、という課題があった。MSWはエンジン内の燃焼形状を見直すことで、効率の高い燃焼技術を開発。推力を高め、すでに40kN級エンジンの初期的な地上燃焼試験を成功させているという。

 MSWは、調達した資金を活用して開発体制を強化し、ロケットエンジンの開発と地上燃焼試験などを進める。2023年内には製品化に向けて開発を進め、2024年には飛行試験を計画している。

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