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ElevationSpaceなど、固体燃料と気体/液体酸化剤による推進器の着火技術を研究

2023.03.23 16:12

飯塚直

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 ElevationSpace(仙台市青葉区)は3月23日、固体燃料と気体/液体酸化剤のハイブリッドスラスタ(推進機)への着火技術に関して、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東北大学 学際科学フロンティア研究所と三者間共同研究契約を締結したと発表した。

 今回の共同研究では、三者でハイブリッドスラスタへの着火技術を検討、実証し、高い安全性と低コストを実現するハイブリッドスラスタ実現に向けて、開発を推進するという。

 すでに複数回の燃焼試験が行われ、ハイブリッドスラスタ試作機に対する着火に成功。着火特性に対して再現性があることも確認したという。宇宙空間を模擬した真空環境下で同様に着火、再現性確認に成功しており、高い信頼性を獲得している。

 現在は、宮城県内に燃焼試験場を設置し、より実機に近い形態での燃焼試験を計画しているという。

着火確認試験の様子(出典:ElevationSpace)
着火確認試験の様子(出典:ElevationSpace)

 ElevationSpaceは東北大学発の宇宙スタートアップ。同大学の吉田・桒原研究室でこれまで開発してきた15機以上の小型人工衛星の知見や技術を生かし、人工衛星内で実験や製造などが可能な小型宇宙利用・回収プラットフォーム「ELS-R」を開発。小型宇宙利用プラットフォームの事業化に向け、小型衛星を地球に帰還させるためのハイブリッドスラスタも開発を進めている。

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