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KDDI、「Starlink」を海上でも提供–ダウンロード速度は最大220Mbps

2023.07.03 16:54

飯塚直

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 KDDIは7月3日、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を海上向けに提供を開始した。

 現在、海上での通信手段としては、静止軌道衛星を利用したサービスが利用されているが、PCやスマートフォンなど、近年のデジタル機器の通信の高速化には対応できていないという。気象情報や海洋情報がインターネット経由でやり取りされるようになり、海上でのリアルタイムな情報収集や発信が困難になりつつあると指摘されている。

Starlinkの海上利用イメージ(出典:KDDI)
Starlinkの海上利用イメージ(出典:KDDI)

 今回、Starlinkを海上で利用する免許を、Space Exploration Technologies(SpaceX)の日本法人であるStarlink Japanが取得。日本の領海内でStarlinkの使用が可能となった。KDDIは、免許取得と技術的な評価でSpaceXとStarlink Japanを支援しているという。

 海上向けでは、航海中にダウンロード速度最大220Mbpsの通信環境が構築可能。アンテナは「Flat High Performance」タイプで、設置面積が小さく、デッキ上のスペースを占有することなく設置できるという。

Flat High Performanceアンテナ(出典:KDDI)
Flat High Performanceアンテナ(出典:KDDI)

 海上でもStarlinkが利用可能となることで、リアルタイムで気象情報や海洋情報を取得することで安全な運航を支援できるようになる。データを大量に取り扱う海洋研究のデジタル化や船舶の自動航行なども実現可能と説明。緊急時の連絡手段の確保、長期乗船という特殊な環境下で働く船員の満足度向上などの課題解決にも役立つとしている。

 KDDIは、2021年9月にSpaceXと業務提携。au基地局のバックホールにStarlinkを活用し、山間部や島嶼部でも都市部と同様の高速通信が可能となるよう順次構築を進めている。

 2022年10月からは「認定Starlinkインテグレーター」として、法人や自治体を対象に「Starlink BUSINESS」を提供。建設現場や屋外施設の遠隔監視、災害対策など、さまざまな場所で利用されているという。

 Starlinkを活用したauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」、公衆Wi-Fiサービスと組み合わせた「山小屋Wi-Fi」や「イベントWi-Fi」など、企業や自治体のニーズにあわせた技術やサービスを拡充させているとしている。

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