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Synspective、小型SAR衛星コンステレーションの有効性などを実証
2022.04.13 08:00
小型の合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar:SAR)衛星を開発、運用するSynspective(東京都江東区)は内閣府 宇宙開発戦略推進事務局が推進する「小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」の契約を締結した。4月12日に発表した。
同社は、実証テーマの設定から自社の小型SAR衛星コンステレーションでの利用実証を実施するとともに実証結果を取りまとめて報告する。
実証テーマは、災害対策やインフラ管理、エネルギーなど全8分野を想定している。実証では、現在運用している小型SAR衛星「StriX-α」、3月に軌道投入に成功した「StriX-β」、年内に打ち上げ予定の「StriX-1」を活用する。
豪雨による河川氾濫、地震や土砂災害による地盤変動の状況把握、各種インフラの評価やモニタリング手法を実証するとともに、広範囲で高精度な風力測定から洋上風力エネルギー推進に貢献できる技術手法も実証する予定。
リモートセンシング衛星の分野で高頻度で撮像できる小型衛星コンステレーションに対するニーズが高まっていると言われている。夜間でも、天候に関係なく観測できるなどの特徴があるSAR衛星は、災害対応や海洋監視、安全保障、国土管理などさまざまな分野での利用が期待されており、政府関係機関で継続して利用することが期待されている。
しかし、現時点では衛星の数が少なく、タイムリーな撮像要望に対応するための多数機コンステレーションの構築が必要であるほかに、小型SAR衛星コンステレーションの有効性や実用性、課題の整理や評価が必要とされている。
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局の「小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」事業では、国内の各省庁のSARデータの本格的な利用を拡大していくため、さまざまな行政分野で小型SAR衛星コンステレーションを試用。有効性や実用性、課題を評価、整理する。