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JAMSSなどが開発の光触媒空気浄化装置、民間宇宙飛行士ミッションでISSに

2022.04.12 08:00

鈴木悠斗

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 有人宇宙システム(JAMSS、東京都千代田区)などが開発している光触媒空気浄化装置の技術実証機が4月9日に国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられた。4月11日に発表された。

 東京理科大学や東京農工大学と共同で開発した。JAMSSは、今後増加が見込まれる宇宙旅行などで滞在生活の質(Quality Of Life:QOL)を向上させるため、場所を選ばず置ける簡易な空気浄化装置が必要になると考えたという。

 空気浄化装置の開発では、アセトアルデヒドやエタノールなど常温常圧で揮発しやすい揮発性有機化合物(VOC)の除去に有効な光触媒に着目し、同分野で世界をリードしているという東京理科大、東京農工大と共同研究を進めてきた。

 共同研究では、新型の光触媒フィルター開発に加え、装置を最適化するためのプロトモデル開発、装置の性能試験などでも協力。性能評価のため、高千穂シラス(宮崎県都城市)からセラミック吸着剤を提供してもらったとしている。

光触媒空気浄化装置のフライトモデル(出典:JAMSS)
光触媒空気浄化装置のフライトモデル(出典:JAMSS)

 技術実証機は、米Axiom Spaceによる初めての民間宇宙飛行士ミッション「Axiom Mission 1(Ax-1)」に搭載された。今後はAx-1の民間宇宙飛行士が装置を設置、起動した後、ISSで1カ月間程度運転を継続し、その後装置を回収して評価する予定という。JAMSSはAx-1でミッションを行う唯一の国内企業としている。

 Axiom Spaceは、ISSの商業モジュール設置を米航空宇宙局(NASA)から承認されている唯一の企業。ISS退役後には「Axiom Commercial Space Station」の運用を計画している。

(出典:SpaceX/Axiom)

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