人工流れ星サービスのALE、衛星3号機のエンジニアリングモデル完成--2024年打ち上げ予定

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人工流れ星サービスのALE、衛星3号機のエンジニアリングモデル完成–2024年打ち上げ予定

2023.06.09 15:29

佐藤信彦

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 人工的な流れ星による各種サービスの事業化を目指すALE(東京都港区)は、人工流れ星を作るための人工衛星について、3号機「ALE-3」のエンジニアリングモデル完成を発表した。

 ALE-3は、地球周回軌道から流れ星のもととなる「流星源」を放出し、世界各地で観測可能な流れ星を人工的に作れる。ALEは、この人工流れ星の事業化を目指している。

人工的に流れ星を作る(出典:ALE)
人工的に流れ星を作る(出典:ALE)

 1つ目の事業は、人工流れ星を宇宙エンターテインメントとして提供する「SKY CANVAS」。夜空をキャンバスに見立てて彩ることで、スポーツ大会や音楽イベント、企業プロモーション、観光コンテンツなどに活用可能と見込む。

夜空を流れ星で彩る(出典:ALE)
夜空を流れ星で彩る(出典:ALE)

 2つ目の事業は、地球大気データの取得。高度60~80kmの中間圏で発光する人工流れ星を観測することで、気球や人工衛星だと調べにくい中間圏の大気データを高頻度で得られるという。

人工流れ星で中間圏を観測(出典:ALE)
人工流れ星で中間圏を観測(出典:ALE)

 初号機や2号機より大型化した3号機は、これまで400粒だった搭載可能な流星源の数が1000粒に増えた。信頼性を高めるため、設計も見直したという。サイズは812mm×812mm×1300mmで、質量は200kg。

 3号機は、2024年後半に打ち上げ、2025年に人工流れ星サービスを提供開始する計画。世界初になると期待されている。打ち上げに使用するロケットなどは、まだ決定していない。

人工流れ星サービスの紹介ビデオ(出典:ALE/YouTube)

 エンジニアリングモデルは、基本設計に基づいて機能や性能、環境といった各試験で設計が妥当であることを確認して、次の詳細設計に移行するための設計を固めるためのデータを取得するモデル。品質や信頼性以外の部分で打ち上げる実機と同じ仕様とされている。

 詳細設計に基づいて実機と同じ仕様で制作されるのがプロトタイプモデル。プロトタイプモデルが認定試験に合格して実際に宇宙に打ち上げるのがフライトモデル。

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