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Artemis計画に用いるNASA「SLS」ロケット、コストが約8600億円増の試算

2023.05.30 13:04

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は、Artemis計画で用いられる「Space Launch System(SLS)」ロケットの製造コストについて、61億ドル(約8600億円)増えるとの試算を公表した。

出典:NASA/Michael DeMocker

 SLSは月や火星への探査を視野に入れた新型ロケットで、月周辺基地「Gateway」の建設にも利用される。2022年11月には初となる打ち上げを実施。無人の「Orion」宇宙船を月周回軌道へと投入した。

 NASAはこれまで、SLSのブースターとエンジンの調達費用は70億ドル(約9800億円)になると試算していた。しかしNASAの監察総監室(OIG)が提出した報告書によれば、その費用は131億ドル(約1兆8000億円)にまで膨れ上がるとしている。

 このようなコスト増を回避するため、報告書では固定価格での契約への切り替えを勧告している。しかし、SLSの巨大なコストはNASAにとって管理が難しく、長期的な月や火星探査計画への影響も懸念されている。

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