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NASAの科学観測気球、太平洋に落下–「修復できない空気の漏れ」のため

2023.05.17 11:10

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の科学観測気球「Super Pressure Balloon(SPB)」に修復不能な空気の漏れが発生し、太平洋上に落下した。

 SPBは高度約3万mの成層圏を飛行しながら、科学観測を実施していた。同気球には、大気圏を通過する超高エネルギー宇宙線の粒子を検出するための科学実験装置「Extreme Universe Space Observatory 2(EUSO-2)」が搭載されていた。

 SPBは5月12日にニュージーランドの空港から打ち上げられた。しかし空気の漏れが検出され、修正を試みたものの失敗。なお、4月15日打ち上げられた別のSPBは、現在も南半球の飛行を続けている。

 NASAで科学気球プログラムを率いるDebbie Fairbrother氏は、「ミッションは不幸な終わりを迎えたが、我々は原因を調査し、SPBの技術の改善を続ける」と述べている。

(出典:NASA/Bill Rodman)

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