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真空、帯電した塵まで再現–有人月面着陸をめざす中国が月の模擬室を建設

2023.05.11 13:25

塚本直樹

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 中国は将来の有人月面探査に備え、月環境を模擬したチャンバーを建設した。

出典:CCTV+

 このチャンバーは、中国東北部の黒龍江省ハルビン市にあるハルビン工科大学(HIT)が開発したものだ。また中国は、2030年までに宇宙飛行士を月に着陸させることを目標としている。

 チャンバーでは真空状態が作り出せるだけでなく、塵をマイナスに帯電させる電子銃、紫外線を発生させる重水素灯、塵が舞う様子を再現する振動スクリーンなどが設置されている。また、月の塵を再現した土砂も用意されている。

  HITのLi Liyi所長は、「月環境を再現するシミュレータは、月の塵の形成メカニズムや宇宙船、宇宙服、宇宙飛行士への影響の理解を助け、将来の有人月着陸に備えられる」と語っている。

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