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南相馬市が「東北の一大宇宙拠点」に–試験場利用などでElevationSpace、AstroXと連携

2023.05.01 16:02

飯塚直

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 福島県南相馬市は4月28日、ElevationSpaceおよび、AstroXの2社と連携協定を締結したと発表した。

 ElevationSpace(宮城県仙台市)は、国際宇宙ステーション(ISS)に代わる世界初の宇宙環境利用プラットフォームを開発する宇宙スタートアップ。

 2030年末に国際宇宙ステーション(ISS)の運用終了が決定していることから、「ポストISS時代」を見据え、世界初の宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」の提供を目指している。

 ELS-Rは、無重力環境を生かした実験や実証を無人の小型衛星で実施できる世界初のサービスとなる。人工衛星の開発にあたっては、部品やシステムの設計、製造、調達に加え、各種試験の実施やその検証など多くの工程が必要となっている。

 南相馬市は、国家プロジェクトである「福島イノベーション・コースト構想」に基づき「福島ロボットテストフィールド」を整備している。フィールド内では、性能評価のための振動試験といった人工衛星の開発に欠かすことのできない試験が可能となっている。

 また、近年ではロケット開発ベンチャーが市内に支社を置くなど、宇宙産業に携わる企業の進出も相次いでおり、東北における宇宙産業の一大拠点になりつつある。

 そこで、人工衛星開発の促進に向けた南相馬市内での実証場所の確保を目的に、南相馬市と連携協定を締結した。

 ElevationSpaceは、すでに福島県内の複数社と衛星開発における連携を行っており、2023年3月には南相馬市に支社を設立。人工衛星の部品製造や加工を行う市内事業者との連携を深め、「福島ロボットテストフィールド」を活用した衛星本体の振動試験などを実施する計画だという。

 同協定により、宇宙関連ワークショップの開催や、市内事業者への宇宙実証機会提供などに取り込み、南相馬市での雇用創出や宇宙産業振興を実現するという。

 AstroX(福島県南相馬市)は、空中発射方式による衛星軌道投入ロケットを開発する企業。

 同協定では、開発するロケットなどの実証場所の確保や、ロケット開発における市内事業者との連携、将来的な市内での事業拡大に伴う雇用創出などについて連携を確認したという。

 また、Rockoon方式(気球による空中発射)における衛星打上げロケットの開発を促進し、同社および、連携する市内事業者の企業価値向上などを図ると同時に、将来的な南相馬市内での事業拡大に伴う雇用創出を通じ、市内経済の更なる発展を目指すとしている。

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