ElevationSpace、低軌道からの高頻度再突入・回収技術を開発へ--JAXAと共創

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ElevationSpace、低軌道からの高頻度再突入・回収技術を開発へ–JAXAと共創

2023.04.27 16:18

佐藤信彦

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 ElevationSpace(仙台市青葉区)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球低軌道(LEO)から物資を地球へ持ち帰る手段として、高頻度に大気圏再突入して回収できる技術の実用化に共同で取り組む

 LEOを周回する国際宇宙ステーション(ISS)や人工衛星は、微小重力環境を活用した新素材開発などに使われている。軌道上の実験で得られた試料(サンプル)は地上へ帰還させる必要があるものの、物資回収手段の選択肢は多くなく、回収タイミングの自由度も低いと指摘されている。

 ElevationSpaceは、ISSの運用終了ロシアのISS撤退を見据え、ISSに代わる手段の実現を目指す企業。打ち上げた人工衛星内で実証・実験後、地球に帰還させられる宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」を開発中。2023年に技術実証機「ELS-R100」、2026年にサービス機「ELS-R1000」をそれぞれ打ち上げる予定。実験したサンプルなどを地球へ持ち帰る際に必要な大気圏再突入技術を、東北大学と共同開発している。

 JAXAとの共創「地球低軌道拠点からの高頻度再突入・回収事業」は、JAXAによる新事業創出プログラム「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(JAXA Space Innovation through PARtnership and Co-creation:J-SPARC)」の枠組みで進める。宇宙から地球への新しい「帰りの便」を具体化し、微小重力環境の価値を最大限利用できるインフラを構築する考え。

ElevationSpaceやJAXAなどの役割(出典:ElevationSpace)
ElevationSpaceやJAXAなどの役割(出典:ElevationSpace)

 この共創には、三井物産三井物産エアロスペースも連携し、実装を目指す。

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