花巻北高校、ISS「きぼう」でタンパク質結晶化実験--創薬研究過程を追体験

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花巻北高校、ISS「きぼう」でタンパク質結晶化実験–創薬研究過程を追体験

2023.04.28 16:07

佐藤信彦

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 岩手県立花巻北高校の生徒からなるグループは、国際宇宙ステーション(ISS)で「タンパク質結晶化実験」を行い、得られた試料(サンプル)の解析結果を発表した。

 この実験は、宇宙をテーマに花巻を盛り上げる目的の活動「花巻スペースプロジェクト UP花巻」の一環。プロジェクトの企画・運営は、Space BD(東京都中央区)とSPACE VALUE(岩手県花巻市)が担当している。

 実験では、ISSに接続された日本実験棟「きぼう」の船内実験設備を利用し、微小重力環境で高品質なタンパク質結晶を生成。地上で生成したサンプルと比較するなど、創薬研究プロセスを追体験した。実験グループには、花巻北高校の科学部と有志生徒が加わった。

 実験材料の打ち上げは2022年11月27日。ISSで生成された結晶は、2023年1月11日に地球へ戻された。その後、実験グループは宇宙で生成した結晶と地上で生成した結晶を構造解析し、前者の方が高品質な結晶であると確認した。

宇宙で生成されたタンパク質結晶(出典:Space BD)
宇宙で生成されたタンパク質結晶(出典:Space BD)

 生徒たちは、最適な結晶化条件の探索、宇宙実験による結晶化、シミュレーションソフトを活用したデータを解析など全工程を実際に担当することで創薬研究の流れを体験できたという。

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