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「宇宙ビジネス創出推進自治体」に豊橋市と長野市–佐賀や鹿児島など5県追加
2023.04.25 11:16
内閣府と経済産業省は、2016年3月に「宇宙」をキーワードに新しい産業やサービスの創出に関心を持つ企業や個人、団体などの連携を促進するため、「スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク」(S-NET)を創設。
S-NET活動の一環として、地域での自律的な宇宙ビジネス創出を加速させることを目的に、衛星データなどを活用した宇宙産業の創出を主体的、積極的に推進する自治体を「宇宙ビジネス創出推進自治体」として選定している。
2018年には、北海道、茨城県、福井県、山口県の4道県、2020年には福岡県と大分県の2県が公募で選出された。2023年には佐賀県、鹿児島県、鳥取県、群馬県、岐阜県の5県と、市区町村で初めて豊橋市(愛知県)と長野市(長野県)が選定された。
豊橋市は、兵庫県などに本社を置くスタートアップによる農業IoTと衛星データを組み合わせた実証実験や、東京のスタートアップによる森林の炭素固定量の推定や森林破壊の状況などをモニタリングする製品の開発などを支援している。
第3セクターであるサイエンス・クリエイトと連携し、事業化を加速するための補助事業や宇宙ビジネス相談窓口の開設、イベントやセミナーなどを開催。衛星データの利活用のアイデアを生み、事業化を実現する環境づくりや地域の課題解決、新たな産業の創出を図っている。
今後は、専門家の派遣や有識者による講演会の開催など、国からの支援を受けながら、宇宙に関連した産業やサービスの創出を進めていくという。
S-NETの活動では、宇宙ビジネス創出推進自治体のほかに、衛星データ利用などのワークショップにも取り組んでいる。主要都市(東京、大阪、福岡、仙台)などで、従来のセミナーのみならず、先進的な取り組みを進めている企業と連携した実践的な衛星データの利用に関する講習会やアイデアソン、ワークショップの機会をあわせた宇宙関連イベントで宇宙関連ビジネスのアイデア創出を支援している。
S-NETの活動ではまた、宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster」や宇宙ビジネス投資マッチングプラットフォーム「S-Matching」など他の政府の施策とも連携を図り、入口段階から事業化段階まで切れ目のない形で支援していると説明する。