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NASA、「Artemis II」の飛行士4人を発表–10日間のミッションで月を周回
2023.04.04 15:54
米航空宇宙局(NASA)とカナダ宇宙庁(CSA)は、月探査計画「Artemis(アルテミス)」の次期ミッション「Artemis II」で宇宙船「Orion(オライオン)」に搭乗する宇宙飛行士4人を発表した(その1、その2)。
Artemisは、月に宇宙飛行士を送り、月面探査などを実施する計画。初ミッションのArtemis Iは、新型のロケット「Space Launch System(SLS)」とOrion、ケネディー宇宙センターの地上管制システムを試験することが目的だった。
無人のOrionを月軌道まで送り、周回させた後、地球へ帰還させ、大気圏再突入から降下、着水まで実施し、目的を完遂した。Orionには、将来の有人ミッションで宇宙飛行士が体験するであろう振動や加速度、放射線被ばくなどを計測するための、マネキン3体も搭載していた。
2回目のミッションとなるArtemis IIでは、初めての有人飛行を実施する。2024年11月に宇宙飛行士の乗るOrionをSLSで打ち上げ、月を周回させる10日間の計画。Orionに搭乗する宇宙飛行士は、以下の4人。
G. Reid Wiseman氏:
NASAの宇宙飛行士で、自身2回目の宇宙飛行となるArtemis IIで船長(コマンダー)を務める。初めての宇宙飛行は、フライトエンジニアとして参加した2014年5~11月に165日以上にわたる国際宇宙ステーション(ISS)滞在ミッション。その際、計13時間弱におよぶ2回の船外活動も担当した。
Victor J. Glover, Jr.氏:
NASAの宇宙飛行士で、自身2回目の宇宙飛行となるArtemis IIでパイロットを務める。初めての宇宙飛行は、パイロット兼副船長として野口聡一氏らとSpace Exploration Technologies(SpaceX)の宇宙船「Crew Dragon」でISSへ向かった「Crew-1」ミッション。ISSではフライトエンジニアを務め、168日間の宇宙滞在中に4回の船外活動も担当した。
Christina Hammock Koch氏:
NASAの宇宙飛行士で、自身2回目の宇宙飛行となるArtemis IIミッションスペシャリストを務める。初めての宇宙飛行は、フライトエンジニアとして参加したISS滞在ミッション。328日という女性宇宙飛行士の最長宇宙滞在記録を持つほか、女性だけで実施された初めての船外活動に参加したこともある。
Jeremy Hansen氏:
CSAの宇宙飛行士で、ミッションスペシャリストとして参加するArtemis IIが初めての宇宙飛行。カナダ空軍の元戦闘機パイロット。
Artemis初の月着陸は、2025年に打ち上げる「Artemis III」ミッションで実施する予定。