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スペースシフト、複数の高解像度データによる「仮想コンステレーション」目指す

2023.03.30 17:06

飯塚直

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 衛星データ解析システムの開発を手がけるスペースシフト(東京都千代田区)は3月30日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2022年に公募した「衛星コンステレーションによる革新的衛星観測ミッション共創プログラム」(コンステ共創P)に提案した事業でJAXAと共創活動を進めていくと発表した。

 JAXAは、2021年12月に改訂された宇宙基本計画工程表に記載されている、官民共同の観測衛星コンステレーションの構築に向けた、複数の衛星を制御する技術を研究、開発する指針を踏まえ、民間企業などによる新たな官民連携コンステレーションミッションの創出に必要な研究開発を実施。民間企業との新規ビジネスの事業化検討に向けて、コンステ共創Pを始動させている。

 スペースシフトは、コンステ共創Pで複数の高解像度衛星データと組み合わせた、合成開口レーダー(SAR)衛星での効率的な観測、高性能な人工知能(AI)で解析するSAR衛星データを活用した事業の検討を通じた共創活動を進めていく。

 スペースシフトのAIアルゴリズムの開発については、衛星ごとのセンサーの差異、異なるバンド間やコンステレーション間での変化検知への対応など、SARの理論に基づいたAI開発の課題検討をJAXAとともに取り組むという。

 超小型衛星から次世代大型衛星までを含む衛星ハードウェアへの利用に向けての要求を明確化し、高性能AI解析によるSAR衛星データを活用した事業化を検討するとしている。

 コンステ共創PでJAXAはスペースシフトを含めた4社と共創している。各社と衛星コンステレーションによる革新的衛星観測ミッション創出に向けた取り組みを促進することを目的とし、今後の事業コンセプト共創活動を進めている。

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