ニュース

英宇宙庁、Rolls-Royceの宇宙用原子炉に資金を追加提供–2029年に月へ送る計画

2023.03.23 15:14

佐藤信彦

facebook X(旧Twitter) line

 英宇宙庁(United Kingdom Space Agency:UKSA)は、Rolls-Royce(ロールス・ロイス)が開発している宇宙用の原子炉について、290万ポンド(約4億6676万円)の研究資金を新たに提供すると発表した。2022年に行った24万9000ポンド(約4007万6550円)の資金援助に追加する形。

 有人月面探査計画「Artemis(アルテミス)」では、人間が活動するために熱や電力などのエネルギーが必要不可欠だ。開発中の超小型原子炉は、小型かつ軽量で、設置場所や太陽光など周囲の環境に左右されず、安定してエネルギーを生成できる。そのため、月面活動期間を大きく延ばす可能性があるという。

宇宙用原子炉の初期設計イメージ(出典:Rolls-Royce)
宇宙用原子炉の初期設計イメージ(出典:Rolls-Royce)

 この超小型原子炉の実現に向け、Rolls-Royceは発熱に使える燃料、熱を伝達する方法、熱を電力に変換する技術の研究をする。宇宙飛行士の月面活動に利用できるかどうかも検討していく。

 Rolls-Royceは、原子炉を2029年までに月へ送る計画で作業を進めている。

Related Articles