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衛星データで森林などのCO2吸収量の監視サービス–カーボンクレジットに活用

2023.02.02 11:18

佐藤信彦

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 Archeda(東京都渋谷区)とアグリトリオ(愛知県豊橋市)は、人工衛星から得たデータを活用し、森林や農地による二酸化炭素(CO2)吸収量のモニタリングサービスなどを事業展開する。

 アグリトリオは、「農家が持つ森林資源の衛星データを活用したカーボンクレジット化」というテーマを豊橋市の「令和4年度衛星データ利活用促進支援事業」に提案し、採択された企業。Archedaは、光学衛星や合成開口レーダー(SAR)衛星で得る画像データなどから森林のCO2吸収量を推定できる解析サービス「Green Insight」を提供し、アグリトリオに協力した。具体的には、森林の規模がCO2吸収量のカーボンクレジット化に影響することから、Green Insightで平均樹高を推定した。

衛星データから森林のCO2吸収量を推定できるGreen Insight(出典:Archeda)
衛星データから森林のCO2吸収量を推定できるGreen Insight(出典:Archeda)

 Archedaとアグリトリオは、この協力関係を発展させ、衛星データ活用で気候変動問題の解決につながる事業の開発を進める。自然資源を活用したカーボンクレジットに関する事業連携を加速させるという。具体的な取り組みとしては、全国各地の農家にアクセスできるアグリトリオのチャネルを活用し、Green Insightを展開していく考え。

 カーボンクレジットとは、企業が森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などで生まれた温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)をクレジット(排出権)として発行し、企業間での取引を可能にする仕組み。

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