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日米など5カ国の学生チーム、2024年夏に火星探査機コンテストに出場

2023.02.01 13:00

飯塚直

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 日本、米国、中国、ベトナム、インドの5カ国の学生で結成したチームが2024年夏に開催される火星探査機国際競技大会「University Rover Challenge(URC)」に挑戦する。2月1日に発表された。

 URCは、大学生を対象とした世界最高峰というロボット工学コンテスト。毎年6月に米ユタ州南部の砂漠で開催されている。チームは、書類による事前審査と同大会における4つのミッション(地質調査、部品配達、機器操作、自律誘導)で評価(各100点満点)され、獲得したポイントを競う。事前審査では、資金調達方法やマネジメント方法をまとめた中間報告レポートが審査の対象となる。

 同日に火星探査機を開発するプロジェクト「KARURA」が始動。プロジェクトマネージャーは日本人大学生の垣内啓邦氏が務める。国際的なメンバーで構成された学生チームでのURC出場は初めてという。

火星探査機の完成イメージ図(出典:KARURAプロジェクト)
火星探査機の完成イメージ図(出典:KARURAプロジェクト)

 現在は、探査機の初号機(試験機)を開発、制作する“Term 1”の段階にあると説明。4月からは、探査機の各部分を改良し、同大会に出場できるまでレベルを上げる“Term 2”に入る予定。8月以降は、さらに改良を重ねる“Term 3”へ移り、大会へ出場する機器の作成に取り組むという。

 プロジェクトの理念は「国境を超えた宇宙開発の創造」。プロジェクトを通して、宇宙開発がよりグローバルに行われる世界を目指す。

 学生の専攻分野は工学だけでなく、理学や地学を研究しているメンバー、文系のメンバーも在籍。文理を超えたメンバーで構成されているのも特徴と説明。日米に拠点を設け、火星探査機の開発を進めていくという。

 プロジェクトは東京ビッグサイトで開催される「国際宇宙産業展2023」(2月1~3日)に出展。開発予定の探査機のモックアップのほかにミッション内容を解説したパネルなどを展示する予定としている。

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