ニュース

月面で人工知能を試験へ–カナダとUAEの探査車、地球との通信帯域節約が目的

2023.01.31 06:43

塚本直樹

facebook X(旧Twitter) line

 アラブ首長国連邦(UAE)とカナダは共同で、月探査車「Rashid(ラシード)」における人工知能(AI)のテストを実施すると発表した。

出典:Mohammed Bin Rashid Space Centre

 Rashidは日本のi-spaceが開発した月着陸船「Hakuto-R」に搭載され、2022年12月に打ち上げられた。月への着地は2023年4月を予定しており、カメラやプラズマ分析によって月の塵(レゴリス)に関する観測を予定している。

 今回のテストでは、カナダ企業のミッション・コントロール・スペース・サービス(MCSS)が開発した人工知能により、月の塵に含まれる鉱物の判別を実施する。具体的には同社が開発したアルゴリズムにより、「画像の各ピクセル、特定の地形タイプに分類する」という。

 MCSSのEwan Reid(ユアン・リード)氏は、「探査機でAIを利用することで、限られた衛星の帯域幅を大幅に節約できる。そして岩やクレーターなどの重要なミッションアイテムを区別することで、人間の作業を減らすことにもつながる」と述べている。

Related Articles