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火星の美しい南極、欧州のMars Expressが撮影
2022.12.27 17:37
欧州の火星探査機「Mars Express」が今年5月9日、霜が降りたようにも見える火星の南極の画像を撮影し、地球へと送信した。
Mars Expressは2003年に火星に到着した探査機で、火星を周回しながら観測を続けている。同探査機からは着陸船「Beagle 2(ビーグル2)」が火星に向けて投下されたが、こちらは着陸に失敗している。
今回の画像は火星の南半球における春に撮影されたもので、実際には火星の氷は溶けて後退し始めていた。火星の冬はマイナス60度に達するなど、地球よりかなり寒い。
今回の画像からは、火星の2個の巨大な衝突クレーターを確認することができる。また水の氷と堆積物の層が交互に並ぶ、「極層状堆積物」という地形もみてとれる。画像の暗い部分は、二酸化炭素の氷の昇華によるジェット噴出によるものだ。
火星軌道上から観測できる今回の地形からも、火星の地表がどのように形成され、外観がどのように変化するのかを観測することができる。