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火星ヘリコプターIngenuity、起伏の多い地形に対応した新ソフトで初飛行

2022.11.28 18:00

塚本直樹

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 NASAの火星探査ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」は11月22日、ソフトウェア・アップデート後で初となる飛行を実施した。

出典:NASA

 Ingenuityは火星の極めて薄い大気中でもドローンが探査に使えることを確認するため、火星探査機「Perseverance(パーシビアランス)」とともに送り込まれた実証実験機だ。火星から岩石などの試料を持ち帰る計画「Mars Sample Return(MSR)」において、火星での試料(サンプル)を回収するヘリコプターのベースとしても運用が続けられている。

 今回、Ingenuityは9月29日以来となる34回目の飛行を実施。18秒で16フィート(約5m)を飛行した。もともと同探査機に搭載されていたソフトウェアは平面の多い地形の飛行を想定していたが、新ソフトウェアではより起伏が多い地形でも飛行でき、より安全に着陸できるようになっている。

 Ingenuityの運用チームは声明にて、「新しいソフトウェアではナビゲーションソフトウェアが地形の変化と車両の動きを区別するため、ジェゼロクレーターのデジタル標高マップを使用しする」と解説している。

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