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「Artemis I」の主役–無人宇宙船「Orion」について知っておくべきこと
2022.11.23 09:00
米航空宇宙局(NASA)は、月探査計画「Artemis(アルテミス)」の初ミッション「Artemis I」で11月16日にロケットを打ち上げ、無人宇宙船「Orion(オリオン)」の月遷移軌道への投入と、相乗りさせたキューブサット(小型衛星)10機の放出を成功させた。
Artemisは、月に宇宙飛行士を送り、月面探査などを実施する計画。Artemis Iでは、新型ロケット「Space Launch System(SLS)」でOrionを打ち上げて月軌道を周回させ、最終的に地球へ帰還させる。Artemis計画において、SLSとOrion、ケネディー宇宙センターの地上管制システムを初めて統合した形で実施する試験という位置付け。Orionの大気圏再突入から降下、着水も試験する。
今回のOrionは無人で飛行しているが、本来は月探査や深宇宙探査を目的とした有人宇宙船。月の近傍から地球へ帰還する能力を備える。
大きく分けて、宇宙飛行士が乗り込むクルーモジュール、推進力を与えるエンジンや生命維持装置などを備えるサービスモジュール、打ち上げ時の非常事態発生に備えた脱出システムという、3つの部分で構成されている。クルーモジュールはLockheed Martinが中心になって開発製造し、サービスモジュールは欧州宇宙機関(ESA)やAirbusが担当した。
Orionは、打ち上げから約1時間30分後に月へ向かう軌道へ投入され、単独飛行を開始した。現在は、軌道を修正しながら飛行を続けている。