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NASA、木星衛星探査機「エウロパ・クリッパー」打ち上げ 生命が存在できるか調査
2024.10.16 12:01
米航空宇宙局(NASA)の探査機「エウロパ・クリッパー」が東部時間14日午後12時6分、フロリダ州ケネディ宇宙センターから米宇宙企業スペースXのロケット「ファルコンヘビー」で打ち上げられた。同探査機は木星の衛星「エウロパ」について生命が存在できる環境かどうかを調査する。
エウロパ・クリッパーは正常に軌道に乗り、NASAは打ち上げから約1時間10分後に同探査機からの信号を受信したことを確認した。探査機の飛行中に電力を供給する大型太陽電池パネルは、打ち上げから3時間後に展開された。
エウロパ・クリッパーは、表面を氷に覆われた海を持つ太陽系惑星の調査に特化したNASA初の宇宙船だ。私たちが知っているような生命がこの衛星に居住可能かどうかを見極めることを目標としている。
同探査機は、エウロパの厚い氷殻の下の海を調査するために、9種類の機器と重力実験装置を搭載。エウロパの海には地球の海の2倍の液体の水が含まれていると推定されている。
探査機は29億キロを移動し、2030年4月に木星に到達する予定。途中で火星と地球を接近通過し、各惑星の重力を利用して、燃料消費を抑え、速度を上げながら木星に向かう。
エウロパ・クリッパーは、欧州宇宙機関の木星氷衛星探査機「ジュース」と連携する。この探査機は23年4月に打ち上げられ、31年7月に木星とその大型衛星群に到達し、調査を実施する計画だ。
エウロパ・クリッパーはNASAが惑星探査ミッションのために建造した探査機として史上最大。太陽電池パネルを広げたときの幅は30.5メートルにおよび、バスケットボールのコートよりも大きい。巨大なパネルは、地球と比べて太陽との距離が5倍離れているエウロパの調査中に、探査機の装置や電子機器に電力を供給するのに十分な太陽光を吸収できる。
探査機はエウロパに着陸するのではなく、接近通過を49回実施する。
最終的には、接近通過によりエウロパの地表から25キロ以内に到達し、都度エウロパの異なる場所の上空を飛行する。この手法により、探査機は衛星のほぼ全体をマッピングできる。
(この記事はCNN.co.jpからの転載です)