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火星探査機「Sample Fetch Rover」、月での再利用を検討–ミッションが中止

2022.10.06 08:30

塚本直樹

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 欧州大手航空会社のAirbusは、ミッションが中止された火星探査車「Sample Fetch Rover」の月探査ミッションへの再利用に向けて、テストを進めている。

 Sample Fetch Roverはもともと、米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「Perseverance」ミッションで採取したサンプルを回収するための探査車だった。しかしNASAはその後、2機のヘリコプターによるサンプル回収へとミッションを切り替えたことで、Sample Fetch Roverの用途は無くなっていた。

 Sample Fetch Roverは金属メッシュを採用したユニークなホイールを採用したことで、Perseveranceの2倍の速度で走行できるという。今回のテストでは、火星の地形を再現したロンドン近郊の採石場で障害物を安全に回避する自律型ナビゲーションシステムがチェックされた。

Sample Fetch Rover(出典:Tereza Pultarova)
Sample Fetch Rover(出典:Tereza Pultarova)

 AirbusでSample Fetch Roverプロジェクトのマネージャーを務めるBen Dobke氏は「探査車のナビゲーションシステムはそれほど困難なく月探査向けに切り替えられるが、探査車のデザインは技術的にかなりの見直しが必要だろう」と述べている。

 Sample Fetch Roverのガイダンスナビゲーションコントロールシステムを担当するWarren Hamilton氏は「この技術がNASAの月探査ミッション『Artemis』の一環として、再びチャンスを得ることを望んでいる」と語っている。

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