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NASAとESA、月探査の協力で共同調印–「Artemis」で欧州の飛行士3人を派遣
2022.09.28 12:34
米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、月探査活動に関する協力協定に調印した。これにより、NASAが主導する月探査計画「Artemis」におけるESAの役割の拡大が期待される。
NASAは、「ISS(国際宇宙ステーション)や(Artemisでの有人宇宙拠点)Gateway、ESAの『Orion』宇宙船などの協力に言及し、将来の協力について進行中の議論を強調した」と述べている。
ESAは、Orionのサービスモジュールだけでなく、「国際居住モジュール(International-Habitat:I-HAB)」に加えて、Gatewayと月面間の通信や燃料の補給、科学実験装置用エアロックを提供するモジュール「ESPRIT(European System Providing Refuelling, Infrastructure and Telecommunications)」など、Gatewayを構成する部品を提供している。
見返りとして、ESAはArtemisで3人の宇宙飛行士を派遣できる。そのうち2人は、Gatewayを建設する「Artemis IV」「Artemis V」に参加する可能性が高い。
ESAは、月周辺に通信や航行ネットワークを構築する「Moonlight」や重量級のペイロードを月面に運ぶことができる「欧州大型輸送宇宙船(European Large Logistics Lander:EL3)」の開発も進めている。これらの計画がArtemisに組み入れられる可能性もある。
ESAはこれらのプログラムがArtemisの月探査ミッションに統合され、それとひきかえにArtemisでの追加座席を獲得し、欧州の宇宙飛行士が月面を歩くことを希望している。