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中国の衛星2機、見分けがつかないほどに接近–静止軌道で燃料補給を試験か
中国の衛星「実践21号(Shijian-21)」と「実践25号(Shijian-25)」が、軌道上での燃料補給試験の前段階として、2度目となる近接運用を実施した。米メディアSpaceNewsが報じた。
実践25号は静止軌道での燃料補給とミッション延長技術を試験するために1月に打ち上げられた。実践21号は機能停止した測位衛星「北斗2号G2(Beidou-2 G2)」を静止軌道から上方の墓場軌道まで曳航した。実践21号と25号がランデブーと近接運用(RPO)を行うのは、先月上旬に続き2度目だ。
宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)を手掛ける企業S2a Systemsによる光学地上追跡によれば、実践21号と25号は6月30日に接近した。ここ数日間で両機は互いに接近した後、ほとんど見分けがつかない状態になっている。この後、両機はドッキングを完了し、軌道上での燃料補給などを試験する可能性がある。
SSAソフトウェアを開発するCOMSPOCは、静止軌道宇宙状況認識プログラム(GSSAP)の一部である米国衛星「USA 270」が実践21号と25号の近くにいたことも指摘している。これは、USA 270がこの運用を監視している可能性がある。
中国人民解放軍(PLA)は、軌道上での衛星燃料補給技術や訓練ツールの開発に取り組んでいることが知られている。中国は今回のミッションについて、コメントしていない。
衛星への燃料補給や部品交換、宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去などは「軌道上サービス」に含まれる。軌道上サービスは、高度数百キロ以上の地球軌道上の宇宙空間で価値を提供、創出するサービスであり、宇宙ビジネスの成長領域として期待されている。RPOは軌道上サービスでは必須の技術と考えられている。
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