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天地人、衛星開発に本格着手–パートナーにウェルリサーチとビジョンセンシング

2025.06.26 10:00

UchuBizスタッフ

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 JAXAベンチャー天地人(東京都中央区)は衛星開発プロジェクトのパートナーとしてウェルリサーチ(千葉県市原市)とビジョンセンシング(大阪市北区)と連携し、自社衛星の開発に本格的に着手した。6月25日に発表した。

 天地人は、自社で衛星を開発する「Thermo Earth of Loveプロジェクト」を1月に発表。同社は創業以来衛星データを活用、衛星で観測できる「地表面温度」は気候変動や災害リスク評価、インフラ老朽化対策に欠かせない情報であり、自社で衛星を開発して観測強化を決断したという。衛星の設計と開発では、以下の3点を重視していると説明する。

  • ソリューション起点から設定するセンサー仕様や観測要求
  • 水道インフラ保全や再生可能エネルギー分野など地上での実用を前提としたデータセットの拡充
  • 実用衛星としての活用することを想定した必要十分な信頼性設計や品質管理

 一般的な衛星開発は、観測データを販売する「データ起点」が主流と説明。天地人の場合、水道管や再生可能エネルギーなどの社会課題を解決することから逆算した「ソリューション起点」での衛星開発に取り組んでおり、この手法は世界的に珍しいアプローチとしている。

 ウェルリサーチは、宇宙機開発に必要なシステムや構造、熱、電気設計を実施する専門家集団から構成された企業という。X線分光撮像衛星の関連機器、変形型月面ロボットの関連機器など、高難易度な開発で数多くの実績があるとしている。

 ビジョンセンシングは、「最先端のセンシングデバイス技術+独自の画像処理システム」を強みとする赤外線カメラに特化した専門企業と説明。地上用としてさまざまな波長の赤外線カメラを開発、販売。国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」のロボットアーム搭載実験用途や衛星搭載用途など宇宙用の赤外線センサーの開発実績があるという。

関連情報
天地人 プレスリリース

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