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米ポータル、衛星バス「スーパーノヴァ」の生産を拡大–太陽熱推進を応用
米Portal Space Systems(ポータル・スペース・システムズ)は米国時間6月17日、衛星バス「Supernova」(スーパーノヴァ)の生産拡大に向け、第2工場を建設すると発表した。
Supernovaは「太陽熱推進(Solar Thermal Propulsion:STP)」と呼ばれる技術を応用した推進システムを搭載する衛星バス。STPは太陽光を集めて推進剤を加熱、噴射することで推力を得られるという。高い推力とデルタV(速度変化)がSupernovaの特徴としている。
同社の説明によれば、Supernovaは低軌道(LEO)から中軌道(MEO)までは数分、LEOから静止軌道(GEO)までは数時間、LEOから月周回軌道までは数日で移動できるとしている。同衛星バスは2026年の試験飛行を目指しており、2026年後半に稼働を開始する第2施設で月産1機ペースで生産することが可能になる。
Portalは5月、最初の実証飛行を米Momentusと共同で実施することを発表した。SupernovaはMomentusの軌道輸送機「Vigoride 7」に搭載され、2026年2月にSpace Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)のライドシェア(相乗り)ミッション「Transporter」で打ち上げられる予定だ。
Portalの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のJeff Thornburg(ジェフ・ソーンバーグ)氏は、「2月の初飛行では、飛行コンピューターのアビオニクスやその他のセンサー、システムのリスク調査に焦点を当てる」と語っている。2回目の試験飛行は2026年後半に実施され、その後の最初のフルスケールのSupernovaのミッションは2026年後半から2027年初頭に予定されている。
Thornburg氏は、SpaceXでメタンを燃料とするエンジン「Raptor」の開発で重要な役割を果たしたという。また、Microsoftの共同創業者である故Paul Allen氏が共同で創業したStratolaunch Systemsで3Dプリントロケットエンジンの開発に携わっていた。2020~2021年には、Amazonの「Project Kuiper」の衛星開発プロジェクトで製造担当ディレクターを務めた経験もある。

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