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中国、衛星の燃料補給でドッキングをテストか–2機が静止軌道で接近

2025.06.19 16:13

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 中国の2機の衛星「実践21号(Shijian-21)」「実践25号(Shijian-25)」が静止軌道(GEO)上で接近したことを宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)企業のCOMSPOCとs2a systemsが報告している。

 実践21号と実践25号は6月9日、高度約3万5000kmの静止軌道上で経度で約2度、距離にしておよそ1500km以内に接近した。s2a systemsによる光学追跡では、6月14日に2機が接近し、一時はほとんど見分けられない状態になった。地上からの観測によれば、この2機はドッキングとドッキングの解除をテストした可能性がある。

 2機の衛星によるテストは、軌道上での燃料補給とミッション延長能力を実証し、宇宙活動の持続可能性を向上させることを目的としているようだ。

 実践21号は2021年に打ち上げられ、機能停止した衛星を静止軌道からより高い「墓場軌道」に牽引した。実践25号は軌道上での燃料補給とミッション延長技術を試験するために今年1月に打ち上げられた。

 実践21号と実践25号は、中国の国営企業である上海航天技術研究院(SAST)によって開発された。1月のSASTの声明によれば、衛星は「燃料補給と寿命延長サービスの技術検証」に用いられるとしている。

 衛星への燃料補給や部品交換、宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去などは「軌道上サービス」に含まれる。軌道上サービスは、高度数百キロ以上の地球軌道上の宇宙空間で価値を提供、創出するサービスであり、宇宙ビジネスの成長領域として期待されている

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