
ニュース
ブルーオリジン、月着陸船ブルームーンの「輸送機」を明かす–アルテミス5号で使用
2025.05.22 18:15
米Blue Origin(ブルー・オリジン)は米航空宇宙局(NASA)が主導する国際月探査計画「Artemis」(アルテミス)で活用する月着陸船(ランダー)「Blue Moon」(ブルームーン)を月まで運ぶ「輸送機」(トランスポーター)に関する詳細を明かした。米メディアSpaceNewsが報じた。
米国時間5月19日に開催されたイベントである月面イノベーションコンソーシアム(Lunar Surface Innovation Consortium)でBlue Originはランダー「Blue Moon Mark 2」(ブルームーン・マーク2)を支援するトランスポーターの新しいイラストを公開した。同機は当初、Blue Originが率いるチームの他の企業によって開発される予定だったが、現在は同社が開発を引き継いでいる。
宇宙飛行士が搭乗するMark 2のトランスポーターは「New Glenn」(ニューグレン)ロケットで地球低軌道に打ち上げられ、その後にロケット第2段(上段)の余った推進剤が補給される。トランスポーターはMark 2を月の近直進ハロー軌道に輸送し、トランスポーターから推進剤を移されたMark 2が月に降り立つ。
Blue OriginはMark 2の試験スケジュールについて、明らかにしなかった。同社の民間宇宙担当シニアディレクターであるJacki Cortese(ジャッキー・コルテーゼ)氏は、Mark 2の無人着陸と有人着陸の両方を10年以内に試験する見込みだと述べている。
Blue Originは、Blue Moonの開発で2023年5月にNASAから契約を獲得。Mark 2はArtemisの第5弾ミッション「Artemis V」での使用が計画されている。
Mark 2の技術実証用として開発されているランダーが「Blue Moon Mark 1」(ブルームーン・マーク1)だ。Mark 1は最大3トンの貨物(ペイロード)を月まで運べるという。より小型のMark 1は、Mark 2と同じ「BE-7」エンジンを搭載している。
Mark 1は、New Glennで打ち上げられ、今年には月の南極に着陸する予定だ。Mark 1は、ペイロードなどの月までの輸送をNASAが有償で民間企業に委託する「商業月面輸送サービス(CLPS)」の一環として打ち上げられる。
