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中国、宇宙ステーション「天宮」の新モジュールを準備–増加する実験ニーズに対応か

2025.05.12 14:40

塚本直樹

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 中国航天科技集団(CASC)の関係者は現地時間4月30日、宇宙ステーション「天宮」(Tiangong)に新たなモジュールを打ち上げる準備を進めていると語った。

 天宮は2021年から運用が始まった宇宙ステーションで、コアモジュールの「天和」(Tianhe)に実験モジュールの「問天」(Wentian)と「夢天」(Mengtian)が「T字型」に合体した構成となっている。以前に中国有人宇宙機関(CMSA)は、天宮を6モジュールに拡張する計画を語っていた

 CASCが国営放送のCCTVに「有人宇宙ステーション向けの追加モジュールを『長征5号B』ロケットが打ち上げる計画だ」と語っている。正式な打ち上げ時期はまだ発表されていない。

 CCTVの報道によれば、「実験ニーズの増加により、天宮のスペースや電源供給能力に対する要求が高まっている」としている。過去の報道では、最初に打ち上げられる新モジュールは多機能型の拡張モジュールになる可能性が高い。このモジュールは6つのドッキングポートを備え、天和にドッキングし、今後さらなるモジュールの統合を可能にするものだ。

 中国は現在、次世代有人宇宙船を開発中で、これには地球低軌道(LEO)を周回するためのものと月まで運ぶための「夢舟(むしゅう、Mengzhou)の2バージョンが存在する。LEO用の再使用可能な宇宙船は、最大6~7人の宇宙飛行士を天宮に送ることが可能という。新型宇宙船を打ち上げるための「長征10号」ロケットの初飛行も2026年に予定されている。

現在の天宮(出典:CCTV)
現在の天宮(出典:CCTV)

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