ニュース
ISS外部の観測機器を宇宙飛行士がメンテナンス–6時間の船外活動
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の宇宙飛行士が、船外活動(EVA)で外部に設置されたX線観測装置「中性子星内部組成探査機(NICER)」と宇宙線を検出する「アルファ磁気分光器(AMS)」を修理、点検した。
NICER(Neutron star Interior Composition ExploreR)は中性子星の研究に特化した観測装置。中性子星の重力や物質密度、電磁場などを調べる。2017年6月に取り付けられた。今回の修理で正常な状態に戻った。
AMS(Alpha Magnetic Spectrometer)は宇宙線を検出して、さまざまな種類の未知の物質を調査することを目的に設計。暗黒物質(ダークマター)や反物質を測定できると期待されている。2011年5月にISSに取り付けられた。今回の点検で将来のアップグレードに備えた準備が整った。
今回の6時間に及ぶ船外活動を実施したのは、Nick Hague氏とSuni Williams氏だ。両氏はISSの姿勢制御を担当する「レートジャイロアセンブリ」を交換し、ほかの宇宙機がISSにドッキングする際に使用するリフレクターも交換した。
船外活動は全ての作業が計画通りに終了し、余った時間で可動式フットレストやアンモニア冷却ラインのチェックも実施された。次回のEVAは1月23日に予定されており、無線アンテナの取り外しやISSの外装表面のサンプル採取、ロボットアーム「Canadarm2」の予備関節の準備が実施される。